デスマッチラブコメ!のネタバレあり感想

 

最近はADVゲームをやっていた。評判の良かった『パラノマサイト』をやってみるとめちゃくちゃ面白かったので、その次は『レイジングループ』に手を出し、そうしてその姉妹作の『デスマッチラブコメ!』に流れ着いたというわけだ。

デスマッチラブコメ!

前者2つは紛れもなく面白かったが、十分に語られているな……と感じたため感想を書くモチベが湧かなかった。逆張り精神の発露。

ではデスマッチラブコメ!(以下DMLC)はどうなんだというと、これも面白かった。

ストーリーが楽しいミステリだったのが非常によい。謎の提示と情報の獲得がよい塩梅でざくざくされるというミステリとしての楽しさがあった。グループのメンバーが頭いい上にかなり協力してくれていて、景くんも自己評価よりは頭が悪いわけではないので、サクサク話が進むのが嬉しい。ギャグは正直肌に合わないなと思ったが、ああいう内輪のしょうもない感じは学生らしさが出ているので気になるほどではなかった。

中盤にそもそもラブコメをやる土台が主人公にないことが突きつけられ、どちらを選ぶのかが先送りにされたのはマイナスポイントに感じられた。仮に選んだとしていても、選ぶにはそれに足るほどのメインヒロイン2人の見せ場がまだ足りていなかったように思えるので、そうしなかったことは納得できる。そうはいっても、恋と友情の話としては十分に満足感が得られた。

キャラクターはみんなすごく良かった。

亜須賀は本編では語られなかった部分が多々あるようだけど、見える範囲だけでもすごくいいヤツだし一緒にバカやれるしで、こういう男友達は安心感あるよなという感じ。

隆斗のほうも好感度が高い。あの筋が通ってはいるがめんどくさい物言いの数々がすごく良かった。ギリギリ嫌味なヤツにならないバランス。義を重んじる振る舞いをする割に、妙に乙羽につっかかっていることが気になりはしたが、「白詰の血、やっぱりカスだな……」みたいな認識からくるものとわかって腑に落ちるとともにウケた。

主人公の景くんは理屈っぽいけどバカというけっこう珍しいキャラクターをしていたのがよかった。理屈っぽさは鈴さんによく薫陶されてきたことが伺えてかわいい。鈴さんを尊敬しつつも彼女への劣等感や不信が爆発してしまったシーンがマジでかわいかった。いい表情だった。そもそも身長の低い男って時点で萌えなんだよな。鈴さんを見て育ったから自己肯定感が低いだけで、地頭はそんなに悪くなさそう。最終盤の主人公っぷりがいい。

鈴さんはというと、直前の火事場に、そこまでのコメディをやれていた空気感を思いっきり叩き切るような耳に痛いお説教。あそこで物語が引き締まった感じがして非常に良かった。ハイテンションなノリでごまかされやすいが、巣での説教もまっとうな正論パンチを放ってくるのも面白い。ここ2人の愛への不信が物語の核となるのは結構よかった。

るみ子ちゃんは実態がおもしれー女なのですき。最終盤のメインヒロイン張ってる姿がいい。恋も友情もどっちも欲しがる欲張りしたたか聡いガール、よすぎる。るみ子エンドはかなりえっちな雰囲気出てた。魔性食われた乙羽ちゃん、なんやかんやで本人も食われてそう。

乙羽ちゃん、容姿が萌えすぎる。「……ふん、手ぇ焼かすんじゃないわ」、この暴力性の極みみたいな発言がマジですき。いくらジンクスで補正かかってるからって直接的な暴力で死傷してるケースがいくつかあるのはヤバい。魔性の発現に至るまでの経緯は読ませる力があった。そしてこの子も最終盤のメインヒロイン張ってる姿がいい。

志乃歌さんは最初から最後までめちゃくちゃかわいかった。秘密の共有、信頼できる協力者ポジに就任する、こぼれてしまった弱音をケアされる等、ずっと理想のヒロインムーブをしていた。景くんも見事にそれらに応え続けてきていたのが一周回って良くない気がする。美弥様といい帰ってきてからのほうがヤバそうなんだよな。

美弥様はコイツだけでいいじゃん枠にならないように格が慎重にコントロールされているなという感じがした。景くんとは互いに舐めが入った気安い態度になるのがいい。クリスマスに誘って周囲をヒリつかせるやつ絶対にやらかすと思う。

 

結構長くなってしまったのでこれでおしまい。